スタートは卓上ごみ箱作り
北茨城市の小野瀬栄さん(92)の趣味は、オリジナルの“アートごみ箱”の制作。折り込みチラシなどを折って作る卓上ごみ箱を、独自にアレンジしたもの。改良を重ねた結果、今ではごみ箱でなく完全なオブジェになった。色とりどりの色彩が魅力だ。
作り始めたきっかけは、3年ほど前に、腰を痛めたこと。
小野瀬さんは81歳の時に高齢者自転車競技会の県大会で優勝するなど、体を動かすことが得意だった。テレビの前で座って過ごすことが増えると、手先だけでも動かそうと、チラシを使ってごみ箱を折り始めた。
そのうちに、「これではおもしくない」という気持ちが、ふつふつと湧き上がってきた。
チラシではなく、色画用紙で作ると、明るい色に心がぱっと華やいだ。大小さまざまなごみ箱を作るうちに、重ねてみたら、ごみ箱としては使えないけれど、「きれいだな」と、うれしくなった。
細かく仕切りのある透明のケースを見つけたのは、100円ショップを訪ねた時。「これに入れたら、そのまま飾れるかな」と、胸が高鳴った。
作品は、孫たちのほか、知り合いや市内の図書館、妻の聆子さん(93)が入居する高齢者施設などにプレゼントして、喜ばれている。