戦国時代以降の大子地方で、リーダー的存在だった吉成家の功績についてまとめた「『吉成家文書』調査報告書~保内郷の発展を支えた地域リーダーの姿~」がこのほど、完成した。
調査と報告書の制作に当たったのは、大子町の有志グループ「吉成家文書研究会」。報告書はA4サイズの冊子で、全50ページ。同調査報告書は、同町と近隣市町の図書館に寄贈した。
調査は2020年、代々の吉成家が暮らした「旧吉成邸」(築150年)で多くの古文書が見つかったことから始まった。同グループが発足され、調査を進めると、これまでに日の目を見たことのない貴重なものも含まれることが分かった。
最も古い古文書は、1595年に、佐竹義宣から同家当主・藤兵衛に発給された知行(報酬)の通知書「宛行状(あてがいじょう)」の原本。知行宛行状の原本の確認は、同町では初だった。
調査を通して浮かび上がったのは、「江戸期、幕末維新の動乱期、激動の明治・大正・昭和戦前期を通して、地域の発展のために活動した吉成家代々の姿だった」と、同会発起人で、同町歴史資料調査研究員の大金祐介さん(31)。