大子町上野宮の八溝山麓で、ワサビの栽培が行われている。ワサビは、「八溝(奥久慈)わさび」と呼ばれ、香りと辛みに優れているという。
栽培は、八溝山が水源の八溝川湧水群を利用して行われている。
70年ほど前、静岡県伊豆市の産地で栽培技術を学んだ先人が、同地域に伝えた。栽培方法の名前は、「畳石式」という。ピークには15軒が栽培していたが、現在は数件のみ。
収穫は、年間を通して行われている。辛みが強いのが晩秋~冬物で、春は成長が早く大きな根ワサビが採れる。
ワサビの栽培歴15年という戸辺洋一さん(72)は、「八溝の恵みが育んだワサビを、守り続けたい」と話す。