水戸市酒門町の洋食店「ウオカネ」のメニューに、すし桶(おけ)を器にした大盛シリーズがある。
シリーズの中では比較的少なめのナポリタンやオムライス(770~870円)でも、通常の1・5倍の量。ハンバーグ、唐揚げなどが7段のすし桶に詰められる「7段ランチ」(3600円)は、もはや通常サイズとの比較は困難だ。
すし桶を器にしたのは、東日本大震災以降。震災で、それまで使っていた器の多くが割れてしまい、途方に暮れていたところ、以前、和食を提供していたときに使っていたすし桶が出てきた。棚の奥の方からだった。
当時から、大盛りシリーズは、店の特徴だった。そして、すし桶が大盛りメニューにぴったりだったのは、サイズだけではなかった。「お皿よりも食材をとらえやすく、食べやすいし、汁もこぼれにくい。店内の他のお客さんの注目を集めるという宣伝効果もある」と、店主の荒井由美子さん。
7段ランチは、すし桶を使い始めてから生まれたもので、“棚ぼたメニュー”ともいえる。
「すし桶なら重ねて運べるけど、お皿だったら、厨房と客席を何度も行き来しないといけないじゃない」と荒井さん。
月・火・木曜、第2日曜定休。同店☎050・8883・6216。