町民手作りの劇 3度目の公演 村人交響曲~歓喜の歌~ 18日にまいん文化ホールで(茨城・大子町)
それぞれの衣装を着て笑顔の出演陣

  企画、演出、出演、裏方もすべて、大子町民が中心の「大子町民参加演劇 村人交響曲~歓喜の歌」の公演が9月18日、同町大子の町文化福祉会館「まいん文化ホール」で開かれる。

 同町出身で、東京でも活躍した役者の斉藤一(いち)さん(46)が旗振り役を務める活動。今公演が、3回目。2回目が行われたのは3年前で、コロナ禍で活動がストップした経緯もあり、再始動へ向ける関係者らの意気込みは強い。

 今公演の内容は、1回目の公演のストーリーに磨きをかけたリメーク版。舞台は、若者人口の減少など、大子町と似た悩みを抱える小さな村。村の活性化策として、住民で中年アイドルグループを結成することから展開する。親子の葛藤や、コロナ禍で浮き彫りになった人間の弱さなども描かれている。裏方を含めた関係者は約40人。

 斎藤さんは、高校時代から東京の劇団に所属し、東京に移り住んでからは、テレビドラマにも出演。シリーズ化したドラマ「花ざかりの君たちへ」にも出演した。

 同町に帰ったのは、父親になったのがきっかけ。「ふるさとで子育てしたくなった」と斉藤さん。それから6年経つ。

 過去2回の公演と今回も、斉藤さんは、演出、脚本を担当して、役者も兼ねる。斉藤さんは、「大子でも演劇を続けるつもりではいたが、これほど忙しくなるとは」と笑う。原動力は、公演のたびに増えている関係者と、その情熱だという。

 1回公演から出演している同町出身の佐藤由紀乃さん(29)は昨年、仕事の都合で水戸市に移転したが、けいこを休むことがない。佐藤さんは、「大子町を離れて、一層、大子町が好きになった。この町の魅力も描く劇で、前よりいい演技ができるはず」と話す。

 2度目の出演の服部さちさん(81)は東京出身で、元テレビディレクター。20年前に、友人を訪ねて同町に来たことをきっかけに移り住んだ。

 「この劇の関係者は、家族のように優しく、家族のように熱心。テレビ作りを頑張っていた頃を思い出す」と話す。

 公演は午後2時から。入場無料。同町教育委員会☎0295・72・1148。

 

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