「テンペラ画」を描いて約30年の日立市の高鳥達明さん(59)の作品展が、水戸市備前町の常陽史料館で開かれている。
テンペラ画は、油絵よりも古い西洋絵画の技法で、現代では作品を見る機会は少ないという。「油彩画と日本画の中間のような、独特な色と質感がある。テンペラ画の魅力にふれてもらえたら」と、高鳥さん。
画材は、卵と溶き油を混ぜた溶液に、顔料を加えてつくる絵の具。卵の代わりに膠(にかわ)も使われる。
高鳥さんは、油絵を学んでいた20代の時、テンペラ画に出会った。独学で描いていたが、本場で学んでみたいと、29歳でイタリア・フィレンツェに約2年間留学した。
展示は、130号までの25点。作品のモチーフは、包帯やゼンマイバネなど、らせん状のものを擬人化したもの。異世界に迷い込んだような、不思議な世界を描いている。
絵の具の材料など、テンペラ画に使う道具の紹介もしている。
会期は5月25日まで。日、月曜休館。入場無料。同館029・228・1781。