「サツマイモの神様展」市歴史民俗資料館 30日まで 那珂台地の産地化に尽力した白土松吉の功績を紹介
「ブランコ植え」の模型を紹介する学芸員の玉井千尋さん

 ひたちなか市と周辺の那珂台地が、サツマイモの一大産地になる過程で功績を残した白土松吉(1881~1956年)がテーマの企画展「サツマイモの神様 白土松吉展」が、那珂市戸崎の市歴史民俗資料館で開かれている。松吉が昨年、同市の名誉市民に選ばれたことを記念したもの。

 松吉は、ひたちなか市生まれ。水戸農業学校を卒業し、那珂郡役所などで農業の専門家として働いた。

 干し芋の製造が盛んな那珂湊に婿養子に入ったことが、サツマイモへの関心を深めるきっかけ。那珂台地の農家にとって、干ばつが悩みの種だった。松吉は、干ばつに強いサツマイモの栽培と増産を目指し、仕事の傍ら研究を始めた。

 展示では、松吉が30年かけて確立した「白土式甘藷栽培法」の「ブランコ植え」を模型を使って紹介。ブランコ植えは、苗の両端を地表から出して植えるもの。サイズは大きくなり、収量は2倍近くになったという。

 松吉は、気取らない性格から、「いもの松っつあん」と親しみを込めて呼ばれた。展示内容には、「いもの話し声や泣き声を聞く」と言い、畑で一晩寝たことなど、人柄を表すものも含まれる。

 会期は11月30日まで。午前9時~午後4時半開館。月曜休館。同館☎029・297・0080。

 

 

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