笠間ゆかりの新釉薬提案 「石の百年館」で企画展(茨城・笠間市)
色見本を持つ吉田さん(中央)と、同大学校職員ら

 笠間市にゆかりの深い新しい釉薬(ゆうやく)を使用した陶器を提案する企画展「笠間長石×栗灰(くりばい)釉展」が同市稲田の「石の百年館」で開かれている。5月25日まで。

 新しい原料は、2つ。同市産の稲田石の副産物の笠間長石(ちょうせき)と、クリの枝を灰にした栗灰。展示は、2つの原料を使用した試作品4点と、新素材で制作した焼き物11点。解説パネルもある。

 笠間長石は鉄分を含んでいるのが特徴で、素朴な風合いをつくりだす。また、栗灰と混ぜ合わせることで、比率によってはクリのような色合いにもなるという。

 企画展を主導した県立笠間陶芸大学校の常世田茂さん(55)は、「新しい笠間焼の誕生といえるのではないか。笠間らしさをポイントに笠間焼の作家にアピールしたい」と意欲を見せる。同大学校の吉田博和さん(47)も、「既存の笠間焼を重んじつつ、1つのジャンルとして確立できれば」と話している。

 新たな釉薬の開発は、2021年に同大学校と笠間焼協同組合の協力で始まった。その後、市、同市農業公社、関東稲田砕石が開発グループに加わった。

 開館時間は、午前9時~午後4時(4月からは5時まで)。月曜休館。入館無料。同館☎0296・74・5114。

 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう