
茨城町網掛(あがけ)にある食堂「しじみ屋あがけ」は、地元涸沼(ひぬま)で採れたシジミを使ったうどんが自慢。シジミ漁師の牧野義寛さん(59)が採ったシジミを、調理師で、高校時代以来の友人の宮田達也さん(59)が調理する。「地元のおいしさを伝えたい」と、張り切っている。オープンは昨年6月。
メインのメニューは「しじみうどん」(880円)。こだわりは汁。シジミをたっぷり200g使ってだしをとり、ひたちなか市のしょうゆ店「黒澤醤油(しょうゆ)」のしょうゆや、昆布、塩などでほんのり味付けする。
シジミの滋味を生かした白い汁は、「優しい味」と好評で、飲み干す人もいる。おすすめの食べ方は、「おいご飯」(110円)を追加注文して、残った汁をかけてお茶漬け風に食べることだ。
開店のきっかけは、宮田さんが牧野さんを誘ったこと。
調理師の資格を持ちながらも、調理とは違う仕事に就いていたことから、晩年は、自分の店を持てたらと思っていた宮田さん。牧野さんは、建設の仕事をしていたが、退職後は父親に代わってシジミ漁をしようと思っていた。それぞれ仕事を退職し、牧野さん宅の一階を改装して店を設けた。
牧野さんは、開店3か月前から漁師の仕事をスタート。慣れない仕事に悪戦苦闘しながらも、「なるべく大きいシジミを持って帰りたい。宮田がおいしく仕上げてくれるからね」と、笑顔。
宮田さんは、開店に当たって、各地のシジミを調べるうちに、涸沼のシジミのおいしさを実感した。「うどんは、牧野のシジミがあってこそのおいしさです」と感謝する。
営業時間は午前10時半~午後2時半。定休日は火、水曜。売り切れ次第終了。また、冬期はシジミの入荷具合によって、臨時休業する場合がある。同店☎029・293・8655。