大子町大子の大子ドレメ美術館で開かれている「佐藤ダイン 原画展」は、同町の漫画家佐藤ダインさん(36)の原画展。作画を担当した最新作「だっぺ帝国の逆襲」(小学館)の原画を中心に、デビューから現在までの約50点を展示している。だっぺ帝国の逆襲は、本県が舞台で、先月出版されたばかり。
原画は、漫画よりはるかに大きいB4サイズ。「小さな本ではわからない、原画の迫力を感じてもらえたら」と佐藤さん。
佐藤さんは同町生まれ。大学在学中に漫画誌への投稿を始め、会社員を経て、漫画家のアシスタントになった。2013年に「桃色な片想い」(月刊! スピリッツ)でデビューした。
漫画「だっぺ帝国の逆襲」は、東京から茨城にUターンし、県庁の第二観光課に配属された「袋田ダイゴ」が主人公。県の魅力向上を狙った「茨城再生プロジェクト」を担当し、農家や商店主など、地元の人たちの熱い思いにほだされながら奮闘する物語だ。佐藤さんは、編集者の取材に同行して、現場で感じた空気感や登場人物の魅力を、絵に落とし込んだという。
パソコン上で絵を描く漫画家が増えているが、佐藤さんはアナログな方法にこだわる。「線一本一本に意味を込めた」と佐藤さん。
佐藤さんは期間中は在廊し、希望者の似顔絵を描く「似顔絵屋」も行っている(有料)。会期は11月14日まで。4、5、10、11日は休館。午前10時~午後4時開館。入場無料。