日立市中成沢町の成沢鹿島神社で、週に4回のペースで行われてきた「ささら」のけいこが、大詰めだ。
舞台は、日立さくらまつりでにぎわう日立市の平和通り。まつりのなかでも注目度が高い風流物の公開場所近くだ。4月7日の正午と午後2時に舞う。5月3日にも、同神社と成沢小学校ほか、地元を練り歩きながら披露する。
ささらは、獅子舞の形式の一つで、五穀豊穣(ほうじょう)などを願う。成沢鹿島神社のささらは、小学生の6人が、獅子3人、しゃぐま3人に分かれて舞う。獅子は、大きな羽根飾りを付けて、重々しく舞う。しゃぐまは赤を基調にしたあでやかな衣装で豆太鼓をたたく。本県県北地区の獅子舞(ささら)は、子どもたちが舞うのが特徴だ。今季のけいこは今年1月に始まっていた。
日立さくらまつり会場でのささらは、同市内の7つの神社を拠点にする7つの団体が、持ち回りで行う。同まつりは昨年、コロナ禍を経て4年ぶりに開催されたが、風流物とささらは実施しなかった。周囲の期待は、その分高く、メンバーの気合も同様だ。
獅子を担当する成沢小5年の浅井美由紀さん(11)は、柔道少年団にも所属していて、県トップクラスの実力者だが、いまはささらのために柔道は休んでいる。「だってあこがれの舞台だもん」と笑顔。
地域の大人たちも笛や舞の指導でバックアップ。同神社郷土芸能保存会会長の関和彦さん(70)は、小学6年で獅子をかぶって以来のささらとのつきあい。
「昔は、真冬の境内で寒さに震えながら練習した。大人たちはきびしかったよ。いまは、みんな優しく楽しく練習している。子どもたちの頑張りは、今も昔も変わらないね」