行方市西蓮寺にある寺「西蓮寺(さいれんじ)」の境内には、樹齢1000年を超えるイチョウの木が2本ある。例年、市街地のイチョウの見頃が終わる頃、ゆっくりと色付き始める。同寺では、11月下旬から12月上旬を見頃と案内している。
同寺は782年の創建。2013年に立てられた境内の案内板によると、「一号株」は、幹囲約6メートル、樹高約25メートル。「二号株」は、幹囲約8メートル、樹高約27メートル。
昨年10月下旬、一号株に落雷があった。住職の嘉堂英源(かどう・えいげん)さん(38)がいち早く見つけたこともあり、無事に消火となったが、幹の空洞の部分に黒い焦げが残った。
一号株は、1883(明治16)年には、火災の被害にあったとの記録がある。「火災も、落雷も乗り越える生命力に、感動するばかりです」と、嘉堂さん。
嘉堂さんは、同寺で働くようになって7年ほど。2本のイチョウの木の迫力は、当初はそれほど感じなかったという。訪れる人たちの感動する姿に、魅力に気づかせてもらった。
イチョウの木を若い人たちにも身近に感じてほしいと、紅葉の時期にイベントを企画。11月30日、12月1、7、8日はキッチンカーが来場する。「ゆっくりした気持ちで、眺めてもらえたら」と、嘉堂さん。 (シリーズ終わり)