
北茨城市立磯原中学校2年の小林綸琥君(13)は、姿麟太郎という芸名で、日本舞踊の踊り手としても活躍している。
得意の踊りは、「男 新門辰五郎」。火消しの親分を描いた曲に合わせて、体の入れ墨を見せる決めのポーズがお気に入り。「火消しに命をかける男の力強さを表現しています」
先月は、所属する舞踊グループ「民謡舞踊 北浜菊会」の発表会が市内の市民センターで開かれ、小林君は、踊りや三味線など9演目を披露。約300人の観客からは、「麟太郎!」の掛け声も飛んだ。
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踊ることが好きなのは、幼い頃から。祖母の稲野辺順子さん(79)によると、ハイハイから歩けるようになったばかりの頃、姉が使っていたよさこい踊りの鳴子を両手に持って、ポーズを決めて、カタっと鳴らしたという。「本当にびっくりしました」と笑う順子さん。2歳の頃からよさこいグループに入り、幼稚園に入ると、「和太鼓を習いたい」と、おはやしグループに入った。
日本舞踊を習い始めたのは、小学3年から。きっかけは、祖父の幸男さん(73)と出かけた健康センターで、大衆演劇を見たこと。
踊りのシーンに夢中になり、「踊り手さんの目線の動かし方がかっこよかった」と、小林君。1度見ただけの踊りをすっかり覚えてしまい、家で何度も踊った。「そんなに好きならと、習わせることにしました」と、幸男さん。
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踊りを指導する小山田幸子さん(82)が、姿麟太郎の芸名をつけたのは、その1年後。小林君は、うまく踊れず、悔し涙を流すこともあるが、厳しい指導に一生懸命ついてくる根性がある。
「名前がつくと、観客に覚えてもらいやすくなる。これからも、踊りを頑張るんだよという応援の気持ちも込めました」
次の舞台は6月28日。ひたちなか市で行われる津軽三味線のプロの演奏家村上豪さんのリサイタルで、1曲踊る予定だ。「精いっぱい踊れるよう、頑張ります」