
行方市と周辺でラッキョウといえば、「赤いのが当たり前」という声も聞く。同市麻生で3代続く漬物店「羽生漬物店」が販売する「甘らっきょう」の人気のせいだ。
同品は、クチナシや食紅などで赤く色付けして、甘めに仕上げている。発売は、同社の創業と同じ85年前だという。
赤いラッキョウを商品化したのは、「今でいう映え狙い。白より、赤いほうが断然目立つでしょ」と3代目の羽生春仁さん(66)。当時は、神社や寺の境内での出店販売が中心だった。各店が、商品の個性を出そうと工夫を重ねていて、赤いラッキョウも、そんな流れから生まれた。
おいしさで目立たせようという工夫も発売当初から。塩漬け期間は約1年。その後の、味付けと色付けは約3か月。ラッキョウの栽培期間を含めれば、完成までに2年以上を費やす。
製法の詳細は、企業秘密というより、個人の秘密。親子でも教えない。春仁さんは、「親父から盗んだ味が、今の店の味」と話す。
200グラム入り600円。同店ほか、同市内市観光物産館こいこい、農産物直売所やさいの声などで販売。同漬物店☎0299・72・0335。