独創キルト歴30年展 8月2日~ 県天心記念五浦美術館で(茨城・常陸太田市)
2010年の作品「火山」(247×162cm)と、佐藤さん

 常陸太田市のキルト作家佐藤のり子さん(73)の個展「古布創作ハンドキルト~自分が選んだキルト道 未来へ~」が8月2日から、北茨城市大津町椿の県天心記念五浦美術館で開かれる。両親の介護をきっかけにキルト制作を始めて約30年。初期の作品から新作まで約40点を展示予定。

 佐藤さんの持ち味は、大漁旗や布団カバーなど、さまざまな古布を使い、独創的なデザインに仕上げること。57歳の時には、国内最大のキルトの祭典「東京国際キルトフェスティバル2008」の第7回日本キルト大賞で、優秀賞を受賞した。ヒマワリをモチーフにした作品だった。

 若い頃は、針仕事に興味はなかったという佐藤さん。両親を介護することになり、介護をしながら自宅でもできる楽しみを身につけようとしたことが、キルトを習うきっかけになった。やがて指導者の資格も取得した。

 キルトにのめり込んだ理由の1つは、時代を経た布の風合いに魅せられたこと。布を手に取ると、その布を身につけていたり、使っていた人の人生や時代を感じ、自分が重なるという。「きらびやかな人生も、土にまみれた人生もある。作品にすることで、布が息を吹き返してくれたらうれしい」と、佐藤さん。

 同館での作品展は4回目。新作は、東海道五十三次の場面が描かれた手ぬぐいをメインにした作品11点。手ぬぐいは、コレクターから23年ほど前に託されたもの。手ぬぐい5枚で1枚の絵に見えるように仕上げたという。

 8月6日まで。午前9時半~午後5時(最終日は同3時まで)。入場無料。

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