献上柿の里に秋到来 八郷地区(茨城・石岡市)
たわわに実ったカキに手を伸ばす藤岡さん

 本県を代表する柿の産地・石岡市八郷地区で、早生(わせ)品種の「西村早生(にしむらわせ)」が色づき始めた。

 同地区で栽培する品種はほかに、「太秋(たいしゅう)」「松本早生富有(ふゆう)」「富有」など。西村早生は、果実は黒糖のような深い色で、パリッとした歯ごたえがある。太秋は、梨のようなサクサクとした食感で、甘み濃厚。富有は、果汁が多く、甘みも深い。安定したおいしさから「柿の王様」と称される。収穫は品種をリレーしながら、12月初め頃まで続く。

 同地区は、「献上柿」の産地としても知られる。1955年から、自慢の富有柿を皇室に届けている。

 献上柿の栽培は、生産者でつくる市八郷柿振興協議会の会員が、持ち回りで担当する。昨年は、JAやさと園部柿部会部会長の藤岡稔さん(57)が担当した。

 皇居など東京の窓口に届けるのも担当者の仕事。藤岡さんは、この日のために新調したスーツを着て出かけた。「献上柿の里で栽培していることは誇り。八郷の味を大事に守っていきたい」と、藤岡さん。

 収穫した柿は、地区内の直売所などで販売される。藤岡さんが所属する園部柿部会の直売所は、同市宮ケ崎にある「JAやさと 園部直売所 里の四季」。今年は17日から販売が始まった。まだ数は少ないが、秋の深まりとともに充実していく。

 同直売所の隣には、同部会の選果場がある。選果場の柿を見た直売所の客から、「新鮮でおいしそう。規格外のものでもいいから売ってほしい」との声が寄せられたことから、直売所で販売を始めた。同直売所☎0299・46・3967(第1水曜定休、9~11月の柿のシーズンは休みなし)。

 

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