桜など日立を切り絵に 角ギャラリーで竹蓋さん作品展(茨城・日立)
「現場で感じた感動を大切に制作しています」と、竹蓋さん

 日立市の切り絵作家の竹蓋(たけふた)年男さん(62)の作品展「郷土(ひたち)の切り絵作家 竹蓋年男の世界展」が、同市弁天町の角記念市民ギャラリーで開かれている。県内の歴史ある街並みや、地元に受け継がれる祭りに魅力を感じ、作品にしてきた竹蓋さん。最新作を含む約40点が展示されている。

 同展は同市主催。同市をテーマにした作品は、7点を展示。その一つ、「平和通りの桜と日立風流物」は、市恒例のさくらまつりの一場面を切り取った作品。優しい風合いの色付きの西ノ内和紙などを使い、華やいだ空気感も表現した。

 竹蓋さんは、切り絵の制作を始めて15年。きっかけは、学習塾の講師として、桜川市真壁地区に赴任し、街中の文化財の建物に魅了されたこと。当初は、絵に描いたり、写真に収めたりしていたが、「真壁の魅力を十分には表現できていない」と感じていたという。

 たまたま手にした切り絵の教則本を見て、作品にしてみたところ、和の雰囲気や、白と黒の世界観が、「街並みの雰囲気にぴったりでした」。塾の指導を終えた午前0時からの3時間を制作時間に充てた。その後、県内に制作テーマを広げ、各地で作品展を開いている。

 塾の講師は2年前に引退し、現在は切り絵を楽しむ日々。作品を見た人が、地域の魅力を再発見してくれることが何よりの喜びだ。「切り絵ならではの魅力を通して、町おこしの一助になれたら」と竹蓋さん。

 会期は2月27日まで。入場無料。午前10時~午後6時。月曜休館。同館☎︎0294・26・0170。
 

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