笠間市八雲のカフェ「まちのベンチ」で、小石ほどの大きさの風変わりな焼き物が販売されている。焼き物の名前は「笠間願い焼き」。制作したのは、同市東平の障がい者就労継続支援B型事業所「チャレンジ」利用者の佐藤てる江さん(69)。佐藤さんは、願い焼きの売り上げで、句集を出版することを目標にしている。
佐藤さんは3年前にわずらった脳こうそくのせいで、利き手が不自由。大腸ガンも見つかり、2度、命の危機にさらされた。短歌はリハビリに励む中、医師から脳を活性化させるという理由ですすめられた。コンテストに投句して、秀逸に選定されたこともある。
願い焼き作りは、同級生の陶芸家の助言から始めたという。土を片手で丸めて焼いただけだが、焼き上がりの色合いの美しさは、すすめた陶芸家がお墨付きをくれたという。
句集を出版したいと考えるのは、「みんなを笑顔にしたいから。もらった命を使ってみんなに還元できるものを作り上げるのが私の役目だから」と佐藤さん。
願い焼きは、「縁起がよさそう」などの評判もあって、まずまずの売れ行きだという。値段は1個300円。
チャレンジ☎︎0296・71・7716。