「赤ちゃんが泣き出しても大丈夫。家族一緒に作品を楽しんでみませんか―」
水戸市千波町の県近代美術館は昨年7月から、「静かにしていないといけない」などというイメージから、美術館を敬遠してしまいがちな親子に向けた独自のプログラムを進めている。
授乳やおむつがえのスペースを用意し、子どものサポーターとして同館のボランティアも協力。乳児のほか、幼児と小学生と保護者を対象にした鑑賞会も行っている。
昨年12月には乳児と保護者対象の作品鑑賞会「家族でわくわくミュージアム」を開き、1~2歳の乳児と保護者7組17人が参加した。
同鑑賞会では、主席学芸主事の郡山真澄さんと主任学芸員の永松左知さんと参加者が、所蔵作品展の会場で、床に座り込んで作品を鑑賞。サイコロをふって質問のテーマを決めて、永松さんらが「この絵はどんな味がしそうですか」「いつの季節を描いていると感じますか」などと問いかけ、参加者が感想を話した。
1歳の糸葉ちゃんと参加した市内の平沼素子さん(29)は、「魚の絵の前に来た時、水族館で見た魚を思い出したのか、子どもが喜んだ。絵を一緒に楽しめたようで、うれしかった」と話した。
「大人も子どもも一緒に作品を見ることで、アートの見方や楽しみ方も広がればうれしい」と、永松さん。なお、次回は2月に開催を予定。詳細、申し込みは同館ホームページへ。