水戸市の田山興誠さん(83)が、先月市内で開かれたシニア向けの声楽コンクール「アクティブシニアのための声楽コンクール 声Jiman in 水戸」の80歳以上の部で1位に輝いた。
コンクールの参加対象は、声楽を専門とした学校教育を受けていない60歳以上の人で、部門は、60代、70代、80歳以上の3部門。予選には音源審査を通過した53人が参加。県内外から応募があり、本選には30人が進んだ。
同コンクールは、歌を愛する高齢者のための大会として、同実行委員会(山口やちゑ委員長)と、一般社団法人ヴェッキ・アレーグリ(江幡和子代表理事)が初開催した。
本選で田山さんは、イタリア歌曲「愛しき人よ」など2曲を原語で披露した。田山さんの歌に対して、審査委員長で二期会会員の松本美和子さんは、「歌うことを楽しんでいらっしゃるお姿に、大拍手!」などとコメントした。
田山さんは、40代から趣味で声楽の勉強を始めた。現在も月1回、テノール歌手の上原正敏さんの指導を受けている。声帯の筋肉を鍛えるため、発声練習は日課だ。
声楽の勉強の一つとして、ヨーロッパやアメリカでオペラの鑑賞も続けている。オペラの魅力は、「音楽や歌声に、喜怒哀楽のあふれんばかりの感情が乗る。心が揺さぶられる」と話す。
趣味は多彩で、歌のほか、書や囲碁、写真、絵画鑑賞、ゴルフなども楽しむ。「趣味という楽しみがあることで人生が豊かになった。これからも続けたい」と、田山さん。