【ひと足早く 桜巡り】変電所の裏山で桜のメドレー・常陸太田(茨城・常陸太田市)
旧町屋変電所の建物を囲むように、桜が咲く(日立市の海老原宏さんが昨年の開花時に撮影)


《見頃は例年4月上旬》

  秋のイチョウまつりで知られる常陸太田市西河内下町の「旧町屋変電所」周辺は、春の桜も魅力がある。ソメイヨシノが咲いた後は、裏山に点在する山桜が開花し、芽吹きの新緑の時期まで、日一日と景色が変化する。桜の見頃は、例年4月上旬。

 変電所は、赤レンガなどでつくられた、かわいらしいレトロな建物。明治時代に水力発電所の変電施設として建てられた。1956(昭和31)年に役目を終えた後も、地域の公民館として利用されるなどして愛された。新公民館完成に伴う取り壊しの危機もあったが、地元住民らでつくる保存会「河内の文化遺産を守る会」の努力で乗り越えた。99年には国登録有形文化財になった。

 同会メンバーの檜山貞人さん(77)は、旧変電所の建物を保存していくうちに、周囲の自然にも魅せられたという。桜の魅力になおいっそう気付いたのは、地元テレビに投稿された写真を見たこと。「なんてすてきな場所なんだろうって。ふるさとの魅力に、気づかせてもらいました」

 同会では6年ほど前、変電所近くに整備した公園に、桜の若木の植樹をした。「桜のある風景を未来に残したい。今年も開花が楽しみです」と、檜山さん。

 

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