茨城ゆかりの力士に注目 17日の鹿行鉾田場所を前に二所ノ関親方に聞いた(茨城・鉾田市)
大相撲鹿行鉾田場所のポスターを持つ二所ノ関親方

 牛久市出身で阿見町に二所ノ関部屋を構える二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)が、4月17日の大相撲鹿行鉾田場所を前に、よみうりタウンニュースのインタビューに応じた。
 二所ノ関部屋といえば春場所で、所属の大関、大の里が3度目の優勝を飾ったばかり。優勝決定戦までもつれ込んだ決戦の相手は、土浦市出身で、二所ノ関親方のかつての弟弟子、高安関だった。
 大の里関と高安関という茨城県ゆかりの2力士が大相撲の中心にいることは、本県の相撲ファンにとって、大きな喜びだ。大相撲鹿行鉾田場所と、その先の夏場所への大きな期待材料にもなる。
 二所ノ関親方には、大の里関と高安関が優勝を争ったときのこと、2人の強さの背景、人柄、今後などについて質問した。

 インタビューの最後に「親方写真ギャラリー」あり。

 

 ─ 春場所の優勝決定戦をどう見たか

 優勝決定戦は、本割で高安が勝ったのちに行われた。決定戦も高安のペースになるかと思ったが、大の里は右の上手をとって一気に攻めた。勢いでまさっていた。いい勝ち方だった。
 高安は守りに入ってしまった。本割で勝った時と同じ方法で攻めたのが、その証拠。僕にも経験があるが、ベテランが陥りやすい作戦ミス。稽古場だったら高安が勝っていたと思う。

 ─ 高安は35歳のベテラン。茨城のファンは、「何とか優勝を」と、声援を送ったが

 優勝決定戦の後は、会場では大の里への大歓声とともに、高安が負けてしまったという悲鳴やため息が聞かれた。高安の苦労はみんな知っている。
 高安は、同じ釜の飯を食った仲間でもあり、自分も特別な思いがある。でも、部屋の親方として、大の里の優勝を願った。そうできるのは、高安にはまだまだ、優勝できる力があることがわかっているからだ。

 ─ 大の里の強みは

 24歳で若く、これから成長していくこと。
 アマチュア時代は日本人離れした体格もあって無敵だった。だが、自分より体の小さい力士のさばき方はうまいが、大きい力士に対しては力を生かせないところがある。
 僕も、子どもの頃から自分より大きな人と出会った経験がなく、大きな力士を前にすると戸惑った。
 もう一つは、素直さ。アマチュアで勝てた力士ほど、自分の型にこだわって、それを崩せない場合が多いが、そういう力士は伸びない。大の里は、体格も、精神面も、新しい自分を作り上げていこうという気持ちが強い。何にでも挑戦する。焦らずに、しっかり土台作りをしてほしい。

 ─ 夏場所では、綱取りもかかるが、鉾田場所での注目ポイントは

 鉾田場所をはじめ、4月の春巡業の1か月間は、大の里にとって、今後の人生を変えてしまうぐらい重要な期間だ。春場所の前から、質より量を重視する稽古に変えた。鉾田場所で稽古の様子も、じっくり見てほしい。

 ─ 高安の強みは

 流れに乗ったときの力強さ。本格的な四つ相撲をとったら、角界一だと思っている。春場所の新横綱・豊昇龍戦では、横綱を豪快に押し倒して、「まだまだレベルが違うぞ」というところを見せつけた。
 春場所では、体もバチバチに張っていた。勝負は場所の後半。けがもあるので、いかに長い相撲をとらずに、スタミナを残して後半戦に持っていくか。最後は、完全に自分で優勝を手にしてほしい。

 ─ 2人のほかに、注目力士は

 ウクライナ出身の安青錦(あおにしき)。春場所で新入幕ながら11勝を挙げたが、久しぶりにいい力士を見た。注目というより、注意が必要という感じ。ほかの力士は、しっかり研究しないといけない。

 ─ 鉾田場所のおすすめの楽しみ方は

 どの地方巡業でもそうだが、公開稽古(朝稽古)を見ること。部屋の枠を超えてぶつかり合う本場所に備えた稽古で、力士たちは、巡業を通して強くなる。鉾田場所の開催は、4月の中旬で、どの力士も体も仕上がってきているはず。
 私も会場にいる。いろいろなところを歩いているので、ウォーリーを探せのように探してみて。

 令和7年春巡業大相撲鹿行鉾田場所のチケット購入はこちらから。

 

 

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