“特別なしめ縄”の制作ピーク  始めて20年の福嶋さん(茨城・笠間市)
力を込めて、わらをよりながら合わせていく福嶋さん

 笠間市来栖の福嶋立子さん(85)の年の瀬は、春先に始めたしめ縄づくりの最盛期だ。ストーブで温めた作業場の床は、刈りそろえられた稲わらや、稲わらをよったひも、完成したしめ縄などが埋めている。

 20年来、この調子だという。福嶋さんは、「喜んでくれる人がいるからね」とかわいらしく笑った。

 福嶋さんが作ったしめ縄は、茨城町の農産物直売所「ポケットファームどきどき茨城町店」や、城里町の同「山桜」に並ぶ。80歳を超えた福嶋さんが作っているということで、特別にありがたがる客もいるというが、特別なのは制作者の年齢だけではない。福嶋さんのしめ縄は、材料の稲わらを、福嶋さん自身が苗づくりから取り組んでいるというこだわり品。わらは、古代米のわらを使っている。色がいいのが理由だという。

 田んぼは、作業場の隣。人手があったころは機械を使ったが、福嶋さん1人で取り組む今は、田植えも稲刈りも手作業。足場の悪い田んぼでの作業も、「慣れているから平気だよ」と福嶋さん。

 約200本ほどの予定数が完成するのは、クリスマスのころ。求める人たちのもとへ届け終わると、「自分の正月の準備だよ」。

 

 

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