明治期の岡山県に生まれ、渡米後にアメリカを代表する画家の1人になった国吉康雄の展覧会「国吉康雄展~安眠を妨げる夢~福武コレクション・岡山県立美術館のコレクションを中心に」が10月24日から、水戸市千波町の県近代美術館で開かれる。
国吉(1889~1953年)は、労働移民として16歳でアメリカ西海岸に渡った。夜間学校で美術の才能を見出され、ニューヨークに移住し、働きながら美術学校に通った。
初期は、アメリカ開拓時代を思わせる幻想的な作品で注目され、その後、反戦などのメッセージを作品に託して、発表を続けた。没後半世紀が過ぎた現在も、アメリカで、国吉を美術家や社会活動家として再評価する動きがあるという。
展示は、油彩、カゼイン画を中心にした約170点。日米の国吉研究の成果と最新の資料も展示し、その生涯を紹介する。
講演会やワークショップなどの関連イベントあり。11月11日午後1時からは、講演会「アメリカでの国吉康雄の現在地」(講師は岡山大学特任助教の伊藤駿さん)と、鼎談「国吉研究の第一人者・小澤律子さんを囲む」(登壇者は小澤さんほか)が行われる。
会期は12月24日まで。入場料一般1000円、70歳以上500円など。月曜休館(11月13日は開館)。同館☎029・243・5111。