サケ文化を後世に 水戸まちづくりの会 12日に講演会(茨城・水戸)
サケの混ぜご飯と、鈴木さん(左)と石川さん

 那珂川のサケにまつわる歴史や文化を次代に伝えようという講演会「伝え継ぎたい茨城の鮭(サケ)料理」が2月12日午前10時、水戸市三の丸の県水戸生涯学習センターで開かれる。

 主催は、市民グループの水戸まちづくりの会。那珂川のサケについての調査を進める鈴木祐志さん(66)が中心になって企画。今後、切り口を変えながら5回にわたって関連催しを実施する予定だという。

 登壇するのは茨城民俗学会常任理事の渡辺敦子さん。渡辺さんは、本県の郷土料理について詳しい。

 

■伝統のサケ料理展示

 会場には、本県と栃木県に伝わるサケを素材にした料理を展示する。内容は、サケの混ぜご飯、塩引きサケ餅、しもつかれ(すみつかれ)など。

 サケの混ぜご飯は、同市青柳の石川弘子さん(76)が調理するもの。かつて、那珂川でサケ漁をした漁師たちの“まかない飯”だったものを、現代風にアレンジしたという。

 石川さんの父親はかつて、那珂川で、現在は途絶えてしまった「留め網漁」に従事した。留め網漁は、川を横断するように大きな網を設置し、遡上(そじょう)してきたサケが網に当たり、逆行する際に、もう一つの網で捕らえる漁。漁師らは、小屋を乗せた屋形船で、川面に夜通し停留して作業したという。

 石川さんは、「今の人たちにも喜んでもらえる味付けにしていますが、食べるたびに、祖父たちが頑張っていた当時を思い出します」と話す。

 鈴木さんは、「那珂川のサケは、水戸と茨城の歴史の中の大きな存在。もう一度、目を向けることで、地域の活性化にもつながるのではないか」と話している。

 講演会は入場無料で、定員30人(先着順)。インターネットを使った生中継配信も行う。鈴木さん☎︎090・9348・6546。

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