鹿嶋市神野の早舩(はやふね)直人さん(79)は、洋ランの水耕栽培が趣味。洋ランは、水ごけなどを使った鉢栽培が一般的で、早舩さんの取り組む水耕栽培は、自身で見つけ出したノウハウをふんだんに盛り込んだもの。「水だけの水耕栽培でも十分育つ。手軽さはもちろん、鉢栽培にはない魅力もあるんです」と、早舩さん。
洋ランの水耕栽培を始めたのは、農業高校で教員をしていた35年ほど前。きっかけは、バイオテクノロジーの授業で、洋ランを発芽させたこと。フラスコの中で発芽させ、その後は鉢に植えて栽培したが、「水で発芽させるなら、栽培も水だけでできるのでは」と思いつき、やってみると、見事に開花した。
以来、自宅でも趣味で水耕栽培を楽しんでいる。現在は、デンドロビューム、シンビジュームなど4種類12品種の洋ランを育てている。
手軽さに加えて、鉢栽培の3分の1程度の背丈で開花することも水耕栽培の魅力という。「小さいので、食卓の上にも飾れる。ランの楽しみが広がりますよ」
近年発見した楽しみ方が、デンドロビュームの高芽(たかめ)を水耕栽培すること。高芽は、温度管理がうまくいかなかったときなどに茎にできてしまうもので、株の形を崩すなどの影響があるため、取り除くことが必要という。
高芽の水耕栽培を始めたのは、4年前。早舩さん宅の鉢植えの株に、高芽がいくつもできてしまったのきっかけ。小さなガラス瓶に入れて栽培してみると、2年後に見事に開花した。
こつは、水の量。高芽の根の3分の1程度かぶるようにするといいという。水の交換は1か月に1度程度でいい。「高芽の処理に困ったら、ぜひやってみて」と、早舩さん。