常陸大宮市は10日、市内の動植物と地形・地質についてまとめた「常陸大宮市史 別編2 自然」を刊行した。今後、全10巻を刊行する計画の市史「常陸大宮市史」の1冊目。「新しい切り口で、深く掘り下げて研究した成果。市の文化遺産として活用してもらえたら」と、担当者。
2017年から4年間、市内全域で行った調査成果に基づいてまとめたもの。これまで知られていなかった動植物の種や、地質学上の発見を積み上げ、1500枚以上の写真で、市内の固有の生物、地質や外来種、絶滅危惧種などを解説した。
同市は2016年から、市史の編さん事業に取り組んでいる。作業には市内外のさまざまな分野の研究者が参加。最新の調査結果や調査手法を積極的に取り入れた。
合併前の旧町村の自治体史「大宮町史」「山方町誌」「美和村史」「緒川村史」「御前山村郷土誌」が刊行されたのは30~50年前。
本格的な自治体史の編さんは、平成の大合併以降、県内では初めてで、全国的にも貴重な例として、注目されている。
刊行を記念して6月24日まで、同市中富町の同市庁舎1階ロビーで、同書の内容を紹介するパネル展を開いている(市役所開庁日のみ)。
また、同書は市内の小中高校と県内などの図書館に寄贈。価格は1冊4000円。同市教育委員会文化スポーツ課☎︎0295・52・1111。