うずまきパンに歴史あり 「フィッセル」で取り扱う“ご当地パン”(茨城・神栖市)
厨房でうずまきパンを持つ聖一郎さん

 神栖市波崎のパン店「フィッセル」の「うずまきパン」(130円)は、週末には1日250個を販売する人気商品。同店で取り扱いが始まって29年。波崎と隣町の銚子市では、“ご当地パン”と呼ぶ声もある。

 うずまきパンは、渦巻きを上から見たような円盤形のパン。味は、甘みと塩味のバランスが良い。開発者で、今も現役パン職人の88歳、山本聖一郎さんは、「偶然できたバターロールなんだよ」という。

 原点は、同店の開店より、さらにさかのぼる63年前にある。銚子市の「藤本ベーカリー」に勤めていた山本さんは、たまたま手にした本の渦巻き状のパンの再現に挑戦していた。

 「当時25歳で、それなりのキャリアがあったから形は寄せられたけれど、味は写真では分からないから」と山本さん。砂糖シロップをかけて完成とした。

 藤本ベーカリーは、そのパンを「バターロール」と呼び人気商品になった。「うずまきパン」と改名したのは、山本さんがフィッセルに移ってから。バターロールという名前のパンがすでにあったのが理由だ。

 フィッセルの店主は山本さんの息子の勝之さん(59)。勝之さんは、「うずまきパンは、親父の人生そのもの。私もいつか、そんなパンをつくってみたい」と話した。

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