
水戸市大町の市立博物館は、豊臣秀吉、明智光秀、斎藤道三など、戦国時代の有名武将の手紙15点を特別公開する「『戦国武将書翰(かん)集』の世界」を開いている。5月25日まで。
15点は、2023年に、同市内の所蔵者が同館に持ち込んだもので、1年間の調査を経て、同館に寄託された。
展示品の一つ、斎藤道三の書状には、義理の息子である織田信長を気にかける言葉が記されている。道三は信長の才能を見抜いたと「信長公記」などに記されているが、2人の関係を物語る同時代の史料は、ほとんど確認されていなかったという。
史料の調査には、東京大史料編纂(さん)所と、同所の村井祐樹准教授の協力を得た。15点すべてが、中世文書の原本またはそれに準じる写しであることがわかり、いずれもこれまで知られていない貴重な歴史情報を含むことが確認できた。
「戦国時代の古文書が新たに発見される機会は少ない。歴史好きな人たちにぜひ見てもらえたら」と、学芸員の藤井達也さん(36)。
藤井さんが展示の見どころを解説するギャラリートークが4月20日、5月3、18日の各日午後2時から行われる。
入場無料。月曜と祝日、5月7日休館(5月3~6日は開館)。同館☎029・226・6521。