ドラゴンフルーツの種の数を数えてみようというユニークな体験会がこのほど、水戸市植物公園で開かれた。ドラゴンフルーツは、種が多いフルーツの代表格。体験会は、ドラゴンフルーツの実態調査を兼ねたもので、同園の宮内元子(ちかこ)さんのSNSへの投稿と、その反響をきっかけに実現した。
▲道具を駆使して丁寧に調査した
体験会の参加者は、子どもから大人まで75人。それぞれに、大きさ数センチほどに角切りされた果実が配られた。
作業は、竹ぐしを使って種を取り出し、取り出した種を、専用のシートに並べてスタッフに提出するという地道なもの。種の大きさは約1mm。皮や、果実を切ったまな板に残った種もくまなく数えた。約4時間かけて、全員で5個を調査。結果、1個平均3838粒という答えを導き出した。
体験会開催のきっかけになったSNSの投稿は、2年前のもの。当時、宮内さんは、東京・渋谷区ふれあい植物センターの園長だった。
▲ドラゴンフルーツを持つ宮内さん
何気なくドラゴンフルーツのつぼみをばらしてみて、その複雑な作りにあたらめて驚いたのが始まり。そして、「『いっちょう、やってみるか』という気持ちになった」と笑顔で振り返る。
ピンセットで1枚1枚はがしていくと、がく80枚、花弁28枚、めしべ1本、おしべに至っては1173本もあった。
SNS投稿は、一連の内容を「大人VSドラゴンフルーツの蕾 死闘編」としてまとめたもの。常軌を逸した地道さと、根気強さが伝わり、「狂気だ」などと話題を呼んだ。
当時、種も数えたかったが、「1人では無理」と断念した。「でも、みんなでやれば怖くないと気がついた」と、宮内さん。
今回、SNSで参加を呼びかけると、県内外から申し込みがあった。
参加した大洗町の中学2年生、矢口陽菜さん(14)は、「気が遠くなるくらいの種があった。びっくりしたけれど、面白かった」と笑顔。
宮内さんは、「科学が進んだ現代も、わからないことは身近にたくさんある。みんなでワクワクできました」と話していた。