行方市山田のアマチュアカメラマン溝口一郎さん(67)は、これから半月ほどの間、毎夕といっていいほど富士山と向き合う。狙うは、ダイヤモンド富士と呼ばれる絶景の瞬間。霞ケ浦の先に望む富士山の頂に、太陽が沈んでいく場面だ。
期間限定なのは、太陽が沈む場所が日々変わるため。きっちりと頂上に太陽が沈むダイヤモンド富士と向き合うのであれば、半月ほどの間にも毎日、見る場所を南下させる必要がある。行方市の後は、潮来市に展望場所が移る。大気が冷え込む1月は、空気が澄むなどして、遠方を望む環境も整う。
気象状況が整う日は、富士山を望む湖岸に、カメラマンと一般の人も含めた富士山目当ての人がずらりと並ぶ。なかには、富士山の裾野の静岡県から来る人もある。
日が沈んだ後のマジックアワーと呼ばれる時間も、多くの人を魅了する。グラデーションを伴う淡い光を背景に、富士山が浮かび上がり、「大自然のドラマです」と溝口さん。