
大子町小生瀬の温泉「月居温泉 白木荘」の客層は幅広い。地元の常連客や旅行者のほか、山道を走るトレイルランのランナーもやって来る。
1992年に、地元の人たち向けの湯として始まった。近くで進んだゴルフ場開発工事の途中で、お湯が湧き出すという幸運がきっかけだった。
やがて、「いいお湯だから」と、一般も受け入れるようになった。内風呂に加えて、岩を配した露天風呂を作った。休憩所や宿泊できる客室も建てた。
大工仕事などの多くの作業で、腕に覚えのある地域住民が活躍した。浄財を寄せた住民も多かった。運営も地元住民が担当し、住民ならではの心遣いが人気を呼んだ。
一昨年から、地区外の人を迎えて経営するようになった。時代の変化を受けてのことだった。地域の高齢化に加えて、施設の老朽化、コロナ禍も追い打ちをかけた。ホームページを立ち上げて、料理も一新した。
しかし、特に平日は、かつてとなんら変わらぬ“温泉物語”が繰り広げられる。支えるのは、柳下久仁子さん(70)ら古くからの従業員と常連たち。「地域で大事にしてきたお風呂を、その風情を含めて次の世代につなぎたいから」と柳下さん。
常連客の最高齢は97歳の男性。農作業の後などに来るという。「昨日も来たわよ。春が近いから、土作りに忙しいそうよ」と柳下さん。
日帰り入浴の営業時間は午前8時~午後7時(午後6時最終受け付け)。料金は600円。火曜定休、不定休あり。同温泉TEL0295・76・0373。






