日立市宮田町のかみね公園などで、「日立紅寒桜(べにかんざくら)」の開花が進んでいる。
日立紅寒桜は、同市の固有の桜。市内のJR小木津駅構内で生育していた桜を調査した結果、新品種であることがわかり、2006年に品種登録された(品種登録名は「日立紅寒」)。
今年は1月4日に開花宣言が出たほど、極早咲きの品種。開花のニュースが流れると、同市のさくら課には、県外からも問い合わせが入る。「いち早く咲く桜。一目見て、春を感じたいという声が多いです」と、同課長の湯田健一さん(57)。
開花している期間が長いのも特徴で、見頃は例年2月末から3月上旬。一重咲きの小さな花が、一輪一輪増えていくたび、温かい春が近づいてくる。
原木は枯れてしまったが、芽接ぎなどの方法で苗の生産に成功し、現在は約280本が市内各所に植えられている。
同市弁天町の公園「桧沢緑地」には、通り沿いに樹形の良い日立紅寒桜が1本植えられている。桜は、地域でつくる「桧沢緑地公園を守る会」が見守っている。毎年花見会を開いていたが、コロナ禍で中止に。その代わりに、昨年からライトアップを開催。今年も3月5日まで、一斗缶を使って手作りした明かりで照らすという。「一足早いお花見は、得した気分。毎年開花が楽しみです」と、代表の滝勝行さん(80)。
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