店長が絵本出版 「コーヒースタンド・ゲンカン」の神定さん(茨城・日立市)
自費出版した絵本「みかづきのおともだち」を持つ神定さん

 日立市弁天町のコーヒーショップ「コーヒースタンド・ゲンカン」の店長、神定(かんじょう)祐亮さん(30)がこのほど、絵本「みかづきのおともだち」を自費出版した。物語と絵も神定さん作。100冊の初回印刷分は完売し、増刷を進めている。
 内容は、少女の成長物語。夢の中で出合った優しい熊に勇気をもらった少女が、前向きに歩んでいくというもの。
 神定さんのかつての夢は、漫画家になること。作品を仕上げては、出版社に持ち込む日々を重ねた。その次に見つけた夢が、コーヒーにまつわることだった。「コーヒーを通して地域の盛り上げや、人の幸せに役立ちたいと思った」と神定さん。
 20歳代の前半で大手コーヒーチェーンのスターバックスに勤めた。県内外の店舗で勤務しながら経験を積んだ。日立市は出身地。地元で夢をかなえたいと思ったことが、現在の仕事につながった。
 コーヒーの道に入ってからも、絵の制作は続けていた。絵本の制作のきっかけは、仲間らと絵の展示会を開いたこと。会場に並ぶ自分の絵を見ると、「それぞれに独立した絵として描いたけれど、物語になることを思いついた」。
 コーヒースタンド・ゲンカンの常連には、年配者や小学生も多い。絵本は、世代を超えた客らに好評だという。神定さんは、「絵本の内容と、私にも絵本が作れたという事実を通して、夢を持つことや、挑戦することのすばらしさが伝われば」と話している。

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