日立市諏訪町の就労支援事業所「諏訪ひまわり」の有志で作るCCBメンバーがこのほど、コーヒーを入れる腕前を競う全国大会「チャレンジ・コーヒー・バリスタ」で準優勝した。
同大会は、障害のあるバリスタ(コーヒーをいれる職人)が対象。今大会には、予選を含めると24団体が参加した。同事業所は、昨年に続いての参加で、昨年は優勝だった。
CCBは、大会名の頭文字のアルファベットを並べたもの。メンバーは3人。同事業所でコーヒー豆の焙煎(ばいせん)などに取り組んでいる。
大会では、審査員の前で実際にコーヒーを入れた。その様子は、動画配信サイトで、実況中継された。審査対象は、コーヒーの入れ方と味、提供方式、パフォーマンスなど。3人が特に力を入れたのは提供方式。提供する対象は、審査員たちで、外国人も多い。それぞれの母国語でメッセージをつくり、言葉で伝えるとともに、メッセージカードも添えた。
大会に向けた練習は、半年前に開始した。「本番は、練習の時以上のできだった」とは、岡田瑠希愛さん(20)。それもあって、結果を聞いたときは、メンバー全員が悔し涙を流したという。「絶対にいけると思っていた」とは、安嶋千晴さん(23)。それでも、周囲の祝福の声にもまれると、笑顔になった。
メンバーの練習場所になったのは、同事業所が運営するカフェ「cafeé焙煎所諏訪ひまわり」。12月に正式オープンの予定だが、すでに利用が可能。
カフェのオープンは、メンバーを含めた同事業所の利用者みんなの励みになっている。今月から、カフェで、一般就労勤務に当たる河江郁美さん(31)は、オープンに合わせて接客術の本を熟読した。使い慣れない言葉は、繰り返し練習した。「うまくいくと、お客さんの笑顔が大きくなるような気がする」と河江さん。
メンバーもカフェで接客に当たることが多く、そのことは、大会の競技者としての技術向上にもつながった。
カフェの場所は、諏訪交流センター近く。同店0294・85・6008。