湯気上げて寒仕込み 愛友酒造(潮来)
蒸し上がった米を板の上に広げて、手作業でほぐした

 1年で最も冷え込みが厳しくなるこの時期は、県内各地の酒蔵で、仕込みの作業がピークを迎える。寒い時期に行われることから、寒仕込みとも呼ばれる。

 この時期に仕込みを行うのは、温度管理がしやすいためという。温度は、原料の発酵の進行に影響する。進行具合は、酒の味わいを決める大きな材料となる。

 潮来市辻の酒蔵「愛友酒造」では、午前7時に、酒米を蒸すための火入れが行われた。仕込んだのは、コンテストでも優秀な結果を残している純米大吟醸。

 蒸し上がった米が、畳1枚ほどの板に広げられると、周囲を湯気が覆った。杜氏(とうじ)の尾林明夫さん(52)は、広げられた米を手でほぐしながら、規定の温度に下がるのを待った。

 その後、こうじや酵母などを加えて、タンクに入れられるまでが一連の流れ。日本酒の仕込みの方法として一般的な、「三段仕込み」は、この流れを3日繰り返すことをいう。

 この日仕込まれた酒は、3週間ほどで完成し、順次販売されるという。「苦労は多いが、楽しく飲んでもうことが励みになる」と兼平理香子社長(59)。

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