水戸市見川の大月遊雅さん(20)は5月、プロのボートレーサーとしてデビューする。
応募者約1000人に対して、合格者約50人という狭き門を経て、養成所に入学。成績次第では、強制退学もあるという厳しい訓練生活も経ての夢の始まりだ。
大月さんは、「デビューの喜びもあるが、自分の力がどこまで通用するのか試すことへのわくわくの方が大きい」と話す。
養成所への入学は、入学した大学を1か月で退学した後の大転身だった。きっかけは偶然見たボートレーサー養成所のテレビコマーシャル。
「『これが、自分の道だ』と思った」というが、その上でも、簡単な決断ではなかった。背中を押してくれたものの中でも、特に大きかったのが、夢を追う同世代から受けた刺激だった。
高校時代からの友人に、ロックバンドで有名になることを夢見て、全国を飛び回るものがいた。
「不安もあるはずなのに、いつもきらきらと輝いていた。『自分も自分の可能性にかけてみたい』と思わされた。今度は、自分がそんな立場になれれば」と大月さん。