

紅葉前線が本県にも下りてきた。県北地域は、11月中旬から下旬にかけて見頃を迎える場所が多そうだ。今週は、県北地域の4つの名所を、以前の見頃の写真で紹介。もみじ狩りと一緒に楽しみたいミニ情報も添える。
国名勝の秋景色
①袋田の滝(=上写真、大子町)
大子町袋田の国名勝「袋田の滝」の秋の魅力は、高さ120メートルから流れ落ちる白い水しぶきと、紅葉した雑木とのコントラストだ。
おすすめは、「第2観瀑台」から眺めること。エレベーターで上った屋上部にあり、滝全体を見渡せる。景色の中には周囲の雑木も含まれ、紅葉が進む時期は1日として同じ景色がないほどだ。同施設支配人の村山康さん(61)は、「今年は台風の影響が少なかった。見事な紅葉が楽しめるのでは」と期待する。
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紅葉と一緒に楽しみたいのが、滝とトンネル内をライトアップする恒例の催し「大子来人(ライト)」。滝のライトアップは日没から。夜の闇に滝が白く浮かび上がる。トンネル内は、日中もライトアップされている。装飾の今年のテーマは「秋冬クリスマス」。秋の紅葉や冬の雪、氷をモチーフにした演出だ=下写真。
同町観光協会☎0295・72・0285。
色づく渓谷を空中散歩
②竜神峡(常陸太田)

▲秋の竜神峡。見渡す限りの紅葉だ(日立市の角田孝さんが2024年に撮影)
常陸太田市の渓谷「竜神峡」は、広大な紅葉の景色が楽しめる場所だ。
渓谷の紅葉を手軽に楽しむには、竜神大吊橋(おおつりばし)の上から眺めるのがいい。同橋は、竜神川をせき止めた竜神ダムの上に架けられていて、長さ375メートル。地上からは約100メートルの位置にある。橋の上に立つと、見渡す限りの紅葉の景色に包まれる。
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11月15、16日午前11時~午後3時は、同市出身のフリースタイルフットボーラーのTOMMYさん(トミー、本名・富永正道さん)のパフォーマンスショーが開かれる=下写真(常陸太田市提供)。場所は物産センター前。見学は無料。
同フットボールは、サッカーにダンスの要素やアクロバティックな技を取り入れた競技。TOMMYさんは、3月にラスベガスで開かれたサーカスの世界大会で日本人初の部門別優勝を飾った。「ふるさとのイベント出演はうれしい。競技の魅力を伝えたい」と話す。
同市観光物産協会☎0294・72・8194。
見どころは丸太のつり橋
③花貫渓谷(高萩)

▲秋の汐見滝吊り橋(日立市の海老原宏さんが2024年に撮影)
高萩市中戸川、大能地区の花貫渓谷の紅葉の一番の見どころは、丸太のつり橋「汐見滝(しおみたき)吊(つ)り橋」周辺だ。
つり橋は長さ60メートル。渓谷のほぼ中央にかかり、橋からは花貫川や汐見滝を見下ろせる。歩くたびにぎしぎしと揺れるつり橋の雰囲気も魅力だ。
つり橋より上流の「紅葉並木」(約500メートル)は、モミジの木々がトンネルをつくる。
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11月24日までの日没から午後7時までは、汐見滝吊り橋周辺などをライトアップしている。夜の紅葉散歩のお供におすすめなのが、レンタルしているちょうちん。
同市観光協会が、昨年から貸し出しを始めた。今年も、直径24メートルのカラフルなちょうちんを用意した。「写真映えすると、大好評です」と、同協会の朝妻航平さん(29)=下写真。
貸し出しは、国道461号から近い花貫駐車場(有料)にある観光案内所で行っている。レンタル料は300円で、ちょうちんを戻した時に100円返却される。
同協会☎0293・23・2121。
艶やか秋色絵巻
④花園渓谷(北茨城)

▲木々が色づいた花園渓谷(日立市の関俊輔さんが以前の見頃の時期に撮影)
北茨城市の花園渓谷は、花園川上流の一帯にあり、秋になると、川沿いの木々の葉が艶やかに色づく。上流には猿ケ城渓谷、下流には浄蓮寺渓谷があり、総距離は7キロほど。ドライブしながら楽しむ人が多い。車窓からは、紅葉絵巻が楽しめる。
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花園渓谷に訪れたら、ぜひ立ち寄りたいのが、花園神社(同市華川町花園)。渓谷の手前にあり、紅葉の名所でもある。
11月中の夜はライトアップが行われている。それに合わせて、同神社では、期間限定の御朱印(初穂料1000円)を授与している。
切り絵になっていて、「切り絵を通して、紅葉やライトアップを楽しむのもおすすめ。ちょっと違った景色になりますよ」と、宮司の神永知明さん(54)=写真右。「秋の紅葉を楽しんで、厳しい冬を乗り越えて」ともアドバイス。
ライトアップは30日までの午後4時半~9時。
同市観光協会☎0293・43・1111。









