鹿嶋市和の榊原将樹さん(72)は、同市内の福祉施設や学校などで公演を行うカシママジシャンクラブの代表。クラブは2014年に発足。一昨年は、県社会福祉大会で表彰された。榊原さんは「今後は鹿行地区全域に活動範囲を広げたい」と話す。
クラブのメンバーは、50~80代の男女7人。練習は月に2回、同市大野公民館で行っている。
練習の内容は、ディスカッション(意見交換)が中心だという。まずは、それぞれが覚えてきた技を披露。その後、その技を観客に喜んでもらうためにどう見せるかを話し合う。「たとえ、すごい技ができたって、そのすごさを理解してもらえなくては意味がないでしょ。逆に、失敗したって、そのドジぶりを見て、喜んでもらえればそれでいい」と榊原さん。それが、アマチュアマジシャンクラブのプロ意識だという。
ご法度のマジックもある。胴体切りのような大技で、「子どもが泣き出しでもしたら、その場は、大失敗ということになる」。
榊原さんは埼玉県で自動車メーカーの技術者として働いていた当時にマジックを始めた。30年ほど前のことだ。「会社の宴会で、みんなをびっくりさせたくてね」。その後は、マジックをコミュニケーションツールとして活用しながら、どんどん新しい技術を身につけていった。
同市には12年前に、いわゆる「田舎暮らし」を目的に移住した。魚釣りなどで田舎暮らしを満喫する一方、人との関わりも大好きで、シルバー人材センターに登録して仕事も続けている。
マジシャンクラブに関わり始めたのも、シルバー人材センターの仕事を通してだという。
同クラブは、メンバーを募集している。資格は不問だが、活動には一定の体力などが必要なため、加入決定は面接を行った後となる。
榊原さん☎090・6314・4644。