
料理包丁で野菜に切れ目を入れて、花、動物、風景などを表現する「むきもの」の展示会「四季野菜むき花展」が10月18、19日、水戸市小吹町の市植物公園で開かれる。和食の料理人の佐々木富雄さん(73、水戸市)と西島秀人さん(57、笠間市)が制作した8点ほどを展示する。
むきものは、日本料理に季節感や彩りを添えるものから発展した。佐々木さんによれば、古くからの和食料理人の多くが、その制作技術を持っているという。ダイコン、ニンジン、サトイモなどが主な素材となる。
展示会の開催は3回目で、今回のテーマは「秋」。ダイコンで作った菊の花は、かつらむきにして切り込みを入れ、クチナシの実で色をつけた。サツマイモで作ったモミジの葉は、モミジ形に切った後、乾燥させて、食紅で彩った。マツの葉は、揚げた茶そば2本をのりを巻いてまとめている。
佐々木さんは福島県出身で、東京で修業した後、水戸市の水戸プラザホテルで26年間、和食の料理長を務めた。西島さんは当時の仲間だ。
佐々木さんは現在、栃木県のホテルに勤務。外国人が宿泊することになり、その演出としてむきものを展示したところ好評を得たため、「地元の茨城でも」と展示を始めた。
「むきものは、おもてなしの心を包丁の技に込めたもの。楽しんでもらえたら」と、佐々木さん。
見学は無料だが、入園料が必要。午前9時~午後5時。