
大洗町成田町の食堂「いきいき」のハゼ丼は、秋のおいしさがてんこ盛りの天丼だ。
メイン食材のハゼは、秋から冬にかけて体に脂をたくわえておいしくなる。同店にほど近い涸沼は、古くからのハゼの名産地で、季節になるとハゼを狙う釣り客が竿を並べる。
同店は以前は涸沼産ハゼをメインに取り扱っていたが、知り合いの漁師が廃業したため、近年は他の産地から仕入れている。
天ぷらにする際は、油の温度を低めに設定して、時間をかける。「衣はパリッとして、身はふんわり仕上がるの」と、同店の曽根彌生さん(79)。
その他の天ぷらの具材は、秋はナスやカボチャなどと、イチジク、リンゴが加わることもある。具材の種類は7、8個が平均だ。たれは、20年前の開店以来、継ぎ足しで使っている。
客の多くは、テーブルに届いたハゼ丼の盛りの良さに驚く。メニューの写真が控えめな盛りになっているためだ。「喜んでもらえるのがうれしくてね。いつごろからか、どんどん“成長”していったの」
週末には県外からの客も多い。ハゼ丼は小鉢などが付いて1100円。ハゼ入りのミニ天丼セットは1000円。
月、火曜定休。同店☎029・266・3323。