「義勇軍」伝える現代アート展   内原郷土史義勇軍資料館(茨城・水戸市)
展示作品の一つ「香坊へ通った」2025年

 昭和13~20年にかけて、旧満州(中国東北部)に開拓民として渡った「満蒙(まんもう)開拓青少年義勇軍」をテーマにした美術展「弓指寛治 不成者(ならずもの) 現代アートが描く義勇軍」が、水戸市内原町の内原郷土史義勇軍資料館で開かれている。

 作者は、三重県出身の現代美術作家、弓指(ゆみさし)寛治さん。作品は、戦時中に、現在の内原にあった同義勇軍訓練所の元隊員、市川力三さん(1924~95年)の手記や、遺族の話をもとに描いている。

 展示は、油彩画など62点。内原の訓練所に来た時の隊服にたすきをかけた姿、満州で家にかくまってくれるという住民に出会い、困って頭をたたきながら考えた場面などを、現代的な表現で描いた。手記から抜粋した文章約80点も展示している。

 同館館長の関口慶久さんは、「市川少年がどうして義勇軍になり、内原や満州でどんな日々を送ったのか。弓指さんの作品の世界観を通して、戦争と平和の意味を体感してもらえたら」と、話している。

 10月26日まで。入場無料。午前9時~午後4時45分開館。月曜休館(祝日の場合は開館し、翌日休館)。同館☎️029・257・5505。

 

 

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