
那珂市の会社員佐藤健太さん(21)が、6月に静岡県で開かれた知的障害者のバドミントン全国大会「第7回日本知的障がい者バドミントン選手権大会」の男子シングルスで、優勝した。佐藤さんは同大会出場3回目で、初栄冠。「次は連覇を目指したい」と、笑顔だ。
大会は、日本パラバドミントン連盟主催。男子シングルス部門には、25人がエントリー。決勝の相手は、同大会6連覇中の強豪だったが、佐藤さんは身長180センチの長身を生かした力強いスマッシュと、スピード感ある攻撃で、ストレート勝ちした。男子ダブルスにも出場して準優勝した。
父と鍛えた足腰
佐藤さんがバドミントンを始めたのは、中学3年生から。地域のクラブに入って練習を始め、知的障害者向けの大会は少ないため、一般の大会に参加。高校2年の頃になると、大会で上位に入ることも増えた。「強くなれるのがうれしくて、夢中で練習した」と、佐藤さん。
持ち味のスピード感ある攻撃を実現しているのは、足腰の強さ。中学、高校時代は陸上部で、100メートル走の高校時代のベストタイムは11秒6。
その基礎をつくったのは小学生の頃、父親の貴教さん(53)と週末のたびに山登りしていたこと。貴教さんはトレイルランニングが趣味で、登山にかかる標準時間の半分程度で登って下りるが、「それにいつもついてきていた」と、貴教さん。
現在は、地域のチームのほか、勤務先の企業の実業団チームにも所属している。練習についていくのが精いっぱいだが、「いつかレギュラーに」と、目を輝かせる。