県立水戸農業高校(那珂市)の生徒らが育てた和牛の肉が10月29日から、水戸市泉町の京成百貨店地下1階の精肉販売「柿安本店」で販売される。「心を込めて育ててきた。大事に食べてもらえたら」と、生徒たち。
販売される牛は、黒毛和種の1頭。同校の部活動「牛(うし)部」(14人)の3年生を中心に、朝早く登校してえさをやり、ブラッシングするなど世話をしてきた。育てた期間は約2年半。肉質は「A4」という高評価を得た。
新型コロナウイルス感染拡大を受けて、今年は思うように世話ができない日もあったが、出荷の日は、部員全員で見守った。食肉になるのはわかっていたが、涙ぐむ生徒も。
「1年生のときから世話をしてきたので、一緒に成長してきた仲間のよう。最後は悲しい気持ちになったけれど、たくさん勉強させてくれてありがとう」とは、部長の本田琢真さん(3年)。
販売は、食肉販売の「関東日本フード」と同店、同百貨店が協力して企画した。販売には生徒は参加せず、代わりに手作りしたポスターを掲示する。肉は各日売り切れ次第終了となる。