市立博物館企画展「いま、戦争を語るということ」 タンポポと鉛の板が伝えるものは(茨城・水戸市)
展示作品を紹介する平野さん

 水戸空襲にまつわるものなど戦争の資料、遺品と、被爆地広島をテーマにした美術品が並ぶ展覧会「いま、

戦争を語るということ 水戸市立博物館所蔵品と河口龍夫《関係‐植物・HIROSHIMAのタンポポ》を通して‐」が、水戸市大町の市立博物館で開かれている。同館の戦後80年事業の一つ。戦争について考えるきっかけにしようというもの。

 水戸空襲の資料は、焼夷弾、空襲で焼け焦げたズボン、米軍の爆撃機B29のプロペラ、空襲予告のビラなど18点。

 美術品は86点。見どころの1つは、筑波大名誉教授で現代美術家の河口龍夫さんが、広島で採集したタンポポを挟んで制作した鉛のプレート。広島市と同市現代美術館から、被爆地の広島をテーマにした作品制作の依頼を受けて取り組んだものだ。

 タンポポは、人間と同じように被爆した動物や植物、昆虫などの小さきものたちのメタファー(比喩的表現)とした。放射能を遮へいする鉛でタンポポを包み込み、保護する発想から制作した。

 同館学芸係の平野明彦さんは、「ものが語る沈黙の言葉に、耳を傾けてもらえたら」と話している。

 8月17日午後2時から、平野さんによる展示解説「ギャラリートーク」が行われる。

 入場無料。月曜休館(8月11日は開館し、12日は休館)。同館☎029・226・6521。

 

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