いち早く街を染める若き大漁桜 高正U&Iセンターホール《見頃は3月中旬》(茨城・鹿嶋市)
昨年より以前の見頃の時期に撮影した高正U&Iセンターホールの大漁桜(鹿嶋市の秋田晴夫さん撮影)

 もう見頃といってもいいほどの咲き具合の桜が、鹿嶋市宮中の高正U&Iセンターホール(鹿嶋勤労文化会館)にある。同館西側の通路の両脇に立つ5本の大漁桜だ。

 同館を運営する同市文化スポーツ振興事業団が2007年、市内の巨樹情報をまとめた本を出版したのを記念して植樹した。樹齢的には青年期より前と言えるが、枝振りが良く見応えがある。大漁桜は、早咲きのオオシマザクラに寒桜を交配したものと伝わっている。

 数年前まで、寒緋桜(カンヒザクラ)という種類だと認識されていた。間違いが修正されたのは勤務4年の同館職員、内田智也さん(37)が、こまめに更新するSNSを介した指摘から。

 SNSの発信は、内田さんの入館と同じ頃に始まった。発信内容は、館にまつわるさまざまな話題。担当を任された内田さんは、発信を日課にし、ネタ探しを日常にした。それは、館にまつわるたくさんの発見につながった。「ここは桜の季節が長いんです」というのもその1つ。大漁桜より先に見頃を迎えるヤマザクラと、ソメイヨシノもあるためだ。期間は約1か月に及ぶという。

 今年の大漁桜の開花は、例年と比べれば1週間ほど遅いという。内田さんがそれを意識できているのもネタ探しの結果。

 同館では、3月上旬の週末の文化フェスティバルの開催が恒例。フェスの後はいつも、参加者らが、ステージ衣装のままで、満開の大漁桜の前で記念撮影する。「今年は、まだ咲き始めの大漁桜の前で、ちょっとだけ残念そうに笑っていました」と内田さん。

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