
鹿嶋市の郷土史家、鹿野貞一さん(76)はこのほど、幕末から明治維新までの鹿島地方についてまとめた本「幕末維新の鹿島」を自費出版した。数多くの種類の古文書を研究した成果で、独自の考察も加えた。「多くの方に手にとってもらえたら」と、鹿野さん。
3人の中年男性の健闘ぶりに注目しながらまとめた。3人は、富豪・日野屋佐七、鹿島神宮大宮司の塙則孝、惣大行事(そうだいぎょうじ)・鹿島丹下。3人とも、時代の流れに翻弄されながらも、立場や身分を超えて、自分の信じる道を貫こうとした。
庶民目線で歴史を捉えようと、会話文を多く取り入れた。「幕末・維新は多くの変動はあったが、庶民の生活は現代と変わっていないと感じた。そんなところも読んでもらえたら」と、鹿野さん。
鹿野さんは、東京の私立中学・高校で教諭を務めた後、同市に転居。学習塾を約40年間経営した。傍らで鹿嶋古文書学習会に入会して約40年、現在は会長を務めている。
執筆に当たっては、古文書学習会仲間の鈴木善博さん(82)、鈴木彰さん(75)らの協力も得た。
A5版226ページ。1冊2200円。同市のオカミ書店、鹿島神宮社務所で販売している。問い合わせは、鹿野さん☎080・7647・2210。