冬の風物詩の表皮取り 和紙の原料のコウゾの皮むき(茨城・大子町)
蒸気が充満する小屋で、蒸したばかりのコウゾの皮を手際よくむく熟練者ら

 和紙の原料になるコウゾの木の皮をむく作業がこのほど、大子町大沢の齋藤邦彦さん宅で行われた。作業は、地元では「表皮(ひょひ)取り」と呼ばれている。
 長さ約70センチの長さに切りそろえられたコウゾは、大釜で1時間半ほど蒸された後、皮をむかれる。皮は2重構造で、表面の茶色い皮の下にある白い皮が目当ての皮だ。
 作業には、近隣の熟練者らも参加。早朝から計7回のコウゾ蒸しが行われた。収穫したコウゾは約1・5トンになった。
 はぎ取られた皮は、軒先で乾燥させてから「大子那須楮(コウゾ)」として、和紙の産地に出荷される。
 大子那須楮は、きめが細かく、丈夫な和紙が作れることから、和紙の産地から評価が高い。ユネスコ無形文化遺産で、国重要無形文化財の「本美濃紙」の原料にもなっている。
 齋藤さんは、「これからも高品質なコウゾを届けていきたい」と話した。

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