昭和の時代に、画家と歌人として活躍した東海村出身の親子、塙南可(なんか)さん、千里(ちさと)さんを紹介する企画展「塙南可・千里展 むらをうつす」が東海村村松の村歴史と未来の交流館で開かれている。来年1月26日まで。
村発足70周年を記念したもので、郷土を代表する人物を紹介する企画展の第1回。
南可さんは1905年生まれ。村役場職員を務めながら、日本画の大家・木村武山の最後の弟子となった。同村の寺院「村松虚空蔵尊」の僧侶という顔もあった。
村松子ども会を創立するなど、教育にも熱心で、江戸時代の僧侶「良寛」が今に生きているようだとして、「今様(いまよう)良寛」と呼ばれた。
千里さんは1927年生まれ。農業をしながら、斎藤茂吉の弟子・佐藤佐太郎に師事した。自身も多くの門下生を育て、村史の編さん事業に関わるなど、地域に貢献した。
展示は、それぞれの作品や写真など45点。斎藤茂吉の直筆の手紙や、木村武山の初公開作品などもある。
担当学芸員の高増慧さんは、「2人とも、日々の生活や村の情景に思いをはせて、作品にすることに優れていた。村の日常や静かな変化と、その心情が伝われば」と話している。
月曜(祝日の場合は開館し、翌平日に休館)と、12月29日~1月3日は休館。同館☎︎029・287・0851。