辻地区の山車、半間を新調 6月に記念運行(茨城・潮来市)
新しい半間を付けた山車を囲む運行の中心メンバー

 潮来市辻の硯(すずりの)宮神社の祭礼で山車(だし)を運行する辻地区の住民らはこのほど、新造から50年を超えた山車の車輪部分を新調して、付け替えた。新調を記念して6月9日午前8時に記念運行を行う。運行するのは、同神社から、同市あやめの水郷潮来あやめ園に向けて。

 山車の車輪は、半間(はんま)と呼ばれる。今回新調した半間は直径1m。素材は、幹の直径が約1mのケヤキ。新調が決まった3年前に確保していた。

 製作は、同地区の建築業、山口直也さん(48)が担当した。住宅建築が本業だが、子どものころから祭りに親しんだせいで、山車の製作にも携わる。山車の本体部分を担当することもある。

 半間1個あたり、100個を超えるパーツを作り、くぎや接着剤を使わずに組み上げたという。固定するのに木製の栓を使うが、栓も、一つずつ製作した。作業は、今年1月から3か月かけた。

 以前の半間も、元は直径1mだったが、約80cmに摩耗していた。摩耗が激しいのは、鹿行地区や千葉県の佐原などの山車運行で、「のの字回し」という見せ場があるせい。

 のの字回しは、一つの半間を軸にして、山車を1回転させるもの。「の」の字を書くのに似ていることからそう呼ばれる。

 「書家が筆を運ぶように、なめらかに回す」と、運行のとりまとめ役の近藤光洋さん(41)。「ゆっくりと、美しさを意識しながら回す」と軍司悟史さん(37)。

 同神社の祭礼は、7月27、28日に行われる。

 

 

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